観る・体験する

室津地区 鏝絵(こてえ)

第二回下関市景観賞受賞(平成23年10月4日) 路地裏の白日夢。豊浦町を訪れた左官職人の軌跡

◎路地裏のタイムスリップ

ふと小さな路地に迷い込んだとき、そこには人々の手によって生み出された歴史が密かに息づいていました……。
現在、豊浦町室津地区に残る「鏝絵」は、明治という激動の時代を生き抜いてきた左官職人達が制作したものと伝えられています。およそ百年の風雨に耐え、今も変わらない色鮮やかな鏝絵と対峙すると、その当時活躍した名も無き職人達の姿が目に浮かぶようです。彼らは何を思いながら、この鏝絵を描いたのでしょうか。
耳を澄ませば路地裏に息づく「鏝絵」が、その地域の長きに渡る、人や物の歴史を語り始めるはずです。

◎豊浦町室津地区の鏝絵(こてえ)誕生の由来

明治24年と34年に室津を襲った2度の大火災からの復興にあたり、江戸時代から施工法である、家の壁面を赤土で固め、その上に漆喰※を塗る延焼防火対策がとられました。 しかし室津浦には難しい白壁を塗りこめるような左官職人がいなかったため、村の再建のため左官職人が乗り込んできました。これが島根県の「石洲左官」と呼ばれる左官集団です。家屋再建のときに周囲の美観を考えたのか、魔除けまたはお祝いのはなむけに描いたのか定かではありませんが、壁に鏝で描いたのが鏝絵の誕生の由来だと言い伝えられています。
この中の左官職人の一人が、後の室津の名人と呼ばれた「井沼田 桝市」こと富士永桝市さんです。
室津の鏝絵はこの人のものと言われていますが、定かではありませんし、またこの人の存在を知っている人は現在いないため、ほとんど謎に包まれた伝説の左官職の名人です。
その仕事は、壁も鏝絵も見事なもので、その後100年を過ぎた現在に於いても、その壁絵の美しさは今でも誇らしげに輝いています。
※漆喰(しっくい)…石灰に粘土・ふのりなどを加えて練った壁塗りの材料

◎貴重な文化遺産をいつまでも

自由で大らかな手法によってつくられた鏝絵からは、当時の左官職人の仕事に対する思いと、その時代背景をもうかがうことができます。鏝絵に限らず、様々な技術の向上を目指し、新たな時代へ挑戦していった近代の職人達。新しい時代に即した仕事をすることで躍進した左官職人の精神は現在の職人にも受け継がれていることでしょう。
豊浦町に残るいくつもの鏝絵は、この地を訪れた左官職人達の軌跡であるとともに、当時の民衆文化や歴史背景を抱える貴重な文化財でもあります。しかし時が経つとともに、多くの鏝絵が姿を消し、それらはただ語り継がれるのみとなりました。 このような現状でしたが、今回、第二回下関市景観賞を受賞。これを機会に室津地区の活性化を図るため「室津地区活性化推進協議会」を結成し、鏝絵の保存や後世に伝える方法が検討されています。また観光に訪れる方々のにもご覧いただけるような活動もはじまっています。

「鏝絵」を見学される方へのお願い


■ 公道から見学できる所は③⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪
  私有地(屋敷)内に入らないよう注意して下さい。
 (約1.4㎞・所要時間 50分)
 

ボランティアガイドがご案内します!


室津公民館にボランティアガイドを予約すれば、ほぼ全体がご見学いただけます。
定期「鏝絵見学ガイド」も実施です。
■ 定期「鏝絵見学ガイド」
   毎月第1・3火曜日 10:00~12:00
   毎月第2・4土曜日 10:00~12:00
※ 上記時間は1名様からでも受付いたします。
※ 10名以上の団体様からのお申し込みの場合は、上記日時以外でも受付いたしますが、
  都合によりご希望に添えない場合もありますので、あらかじめご了承ください。
  ご予約・お問い合わせは室津公民館まで
 TEL083-772-0055
 

①【城】

②【鳳凰

②【濵・姓の頭文字

③【つる花】

④【龍】

⑤【藤・姓の頭文字】

⑥【牛若丸】

⑥【浦島太郎】

⑦【大黒・恵比寿】

⑧【龍】

⑨【鶴・亀・松竹梅】

⑩【鶴・亀・月】

⑪【なまこ壁】

⑫【鶴・亀・松竹梅】
   
問い合わせ 室津地区活性化推進協議会
住所 〒759-6316
下関市豊浦町室津下681-3(室津公民館内)
TEL 083-772-0055